発酵性食物繊維普及プロジェクト 企業レポート

02

発酵性食物繊維普及プロジェクトへ
参画した背景

「ごぼう」の価値を、
もっと日常へ

株式会社あじかんは、長年にわたり「ごぼう」の研究と商品開発に取り組んできました。ごぼうには、発酵性食物繊維の一種である「イヌリン」が豊富に含まれており、さまざまな健康効果が期待されています。

しかし、日本人の食物繊維摂取量は依然として不足しており、ごぼうも「健康によいと分かっていても、毎日継続して摂ることが難しい」という課題があります。栄養価が高い食材である一方、「調理に手間がかかる」「食べ方が限られる」といった理由から、消費量は減少傾向にあります。

当社は、こうした課題に対し、「ごぼうをもっと身近に、もっと楽しく食べてもらえないか」と考え、研究を重ねてきました。ごぼうという日本人に馴染み深い素材を通じて、発酵性食物繊維を無理なく日常に取り入れていただく。その新しい提案を発信していきたいと考え、発酵性食物繊維普及プロジェクトに参画することを決定しました。


商品開発の道のり

発酵性食物繊維を“
おいしく続けられる”形へ

当社では約20年にわたり、ごぼうの研究を続けてきました。その中で着目したのが、焙煎したごぼうが持つ香ばしさと奥深い風味なのですが、カカオ不使用のチョコレート様素材「MelBurd®(メルバード)」の開発は、ある“失敗”から始まりました。

当時、動物性素材を使用しないプラントベース食品の開発に取り組んでいたのですが、その過程で「ココアバター」という原料を知り、名称に“バター”と付いていることから、乳製品の一種だと思い込んでいました。「乳を使わない“ココアバター”を作れないか」と、ココナッツオイルとココアパウダーを混ぜて試作したところ、出来上がったのはチョコレートのような食品でした。

ただ、ココアパウダーを使っている以上、チョコレート風味になるのは当然であり“バター”でもない。失敗作だと思い、処分しようとしていましたが、その時ふと思い出したのが、営業担当者から聞いていた「ごぼう茶の茶葉は、そのまま食べてもおいしい」という言葉でした。

そこで、口に残りやすい茶葉を細かく砕き、ココアパウダーの代わりにココナッツオイルと混ぜてみたところ、予想外にも香ばしく、どこかチョコレートを思わせる風味が生まれたのです。

後から調べてみると、ココアバター自体が植物由来であり、そもそもプラントベース素材だったことが分かったのですが、その思い込みや知識不足から生まれた“失敗作”が、新しい発想につながったのです。

その後、大学とも連携しながら、油脂の結晶構造や口どけ、融点などを研究し、試作と改良を重ね、ごぼう特有の風味を活かしながら、チョコレートのような嗜好性を追求しました。

そして、さらに開発を進め、もっと手軽に、おいしく、食べていただくために商品化したものが「GOVOCE(ゴボーチェ)」です。

商品化にあたっては、食物繊維を含むごぼうを、“健康のために我慢して食べるもの”ではなく、“おいしいから選ばれるもの”へ変えていく取り組みととらえ、腸活やインナーケアへの関心が高まる中で、食物繊維を含むごぼうを、楽しみながら取り入れられる新しい選択肢になると考えています。

近年は、世界的なカカオ価格の高騰や、サステナビリティへの関心の高まりなど、食品業界を取り巻く環境も変化しています。その中で私たちは、単なる「代替チョコレート」ではなく、日本らしい素材から生まれる新しい“Japanese Flavor”として、ごぼうの可能性を世界へ広げていきたいと思っています。

海外でも試食調査を実施しており、アメリカでは「Earthyで深い味わい」という評価をいただくなど、ごぼう特有の香ばしさが新しい魅力として受け止められています。健康価値だけでなく、“おいしさ”として受け入れられていることは、大きな手応えとなっています。


今後の展望

ごぼうを、世界に広がる
日本の新しい食文化へ

GOVOCEシリーズの国外マーケティング調査風景

抹茶が世界で親しまれる存在となったように、ごぼうも日本発の新しい健康素材として世界へ広がる可能性を持っています。

発酵性食物繊維への関心は、腸活やウェルビーイング志向の高まりとともに、今後さらに高まっていくと思います。「MelBurd®」や「GOVOCE®」を通じて、ごぼうの新たな価値を国内外へ広げるとともに、日本の農業や食文化の未来にも貢献してまいります。

© 2025 一般社団法人 発酵性食物繊維普及プロジェクト