発酵性食物繊維普及プロジェクト SPECIALインタビュー
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「体を整える野菜料理」をテーマに、雑誌やWEB、イベントなどでレシピ提案やメニュー開発を行う、野菜の料理家・西岡麻央さんに、野菜を摂り入れて心と体を整えるインナーケアの秘訣をお聞きしました。
インナーケアと野菜、そして腸活
─インナーケアの重要性を実感されたきっかけは?
前職のCA時代にインナーケアの大切さを実感しました。日本と海外を行き来する生活の中で、私の場合はドイツへ行くことが多かったのですが、現地ではお肉やソーセージ中心の野菜が極端に少ない食事になりがちでした。そうすると栄養バランスが乱れ、風邪もひきやすく、肌の調子が悪くなったりもしました。
そこで「日本にいるお休みの日くらいは体を整える時間にしたい」と思って始めたのが、ヨガと料理教室です。その中で、野菜の美味しさや、体を整える食事の大切さに触れ、そのことが「野菜の料理家」として独立するきっかけにもなりました。
美容誌で“食”が取り上げられることが増えた背景
─最近は美容誌でも腸活レシピが増えています。“美容 × 食”の盛り上がりをどう見ていますか?
ここ数年で美容誌で腸活レシピを見かけることが一気に増えました。私自身も「腸にいいメニューを提案してください」とお声がけいただく機会が本当に多くなりました。
これまでは美容といえばスキンケアやコスメが中心でしたが、最近では「外側だけではダメで、内側からも整えたい」という意識が自然に広がってきた実感もあります。タレントさんや読者の考え方が、「コスメだけではなく、食べ方まで含めての美容」へシフトしている表れでもありますね。 “内側から整える美容”が求められるようになったことで、腸にアプローチする食材、とくに発酵性食物繊維が注目される土壌が整ったとも感じています。
発酵性食物繊維が注目される理由
─そのなかでも「発酵性食物繊維」への注目が高まっていますが、料理家としてどのように捉えていますか?
まさに美容と健康の現場で大きく高まっていると感じます。以前は専門的な言葉だったはずの発酵性食物繊維が、いまや美容誌でも当たり前に扱われるキーワードになっているな、と実感します。
発酵性食物繊維は、腸内細菌の“エサ”になり、短鎖脂肪酸という成分を生み出します。この短鎖脂肪酸が、腸内の善玉菌のバランスを整えたり、肌のバリア機能やうるおいに関わる全身の巡りをサポートする働きがあって、こうした“肌につながる理由”がはっきりしているからこそ、美容の場面でも注目が集まっているのだと思います。
ただ一方で、「発酵性食物繊維って何?」「どんな食材に含まれるの?」という方はまだまだ多いです。だからこそ、「こういう食材に多く含まれていて、こんな料理で取り入れられますよ」と、料理として見せることが大切で、日々の食卓に落とし込むことで初めて続けられるものになると感じています。
サラダで「発酵性食物繊維」は摂れる?
─無理なく続けられる取り入れ方や組み合わせのポイントがあれば教えてください。
ツナとかぼちゃのパワーサラダ
シンプルな葉物だけのサラダですと、発酵性食物繊維の量としては正直足りないことが多いです。腸活を意識するなら「サラダを1品料理として完結させる」イメージがおすすめです。葉物に加えて、もち麦や雑穀、さつまいも、根菜類、豆類、少量の肉や卵を組み合わせた“パワーサラダ”にすると、一度にさまざまな発酵性食物繊維を摂れて、栄養バランスも自然に整います。
ポイントは、「全部を発酵性食物繊維にしようとしなくていい」こと。不溶性食物繊維や発酵食品(味噌やぬか漬けなど)と組み合わせると、腸全体を整えやすくなります。
たとえばブロッコリーをさつまいもに置き換える、ひじきの煮物に蒸し大豆を足すなど、小さな工夫でも十分に意味があります。
─続けやすい取り入れ方を改めて教えてください。
完璧を目指すとハードルが上がってしまいます。おすすめは「いつものごはんにワンポイントで足す」こと。
たとえば…
・蒸し大豆を煮物にひとつかみ加える
・もち麦を茹でて冷凍し、サラダやスープにぽんと入れる
・さつまいもを常備菜にしておき、サラダのベースに混ぜる
こうした“ひとつ足すだけ”の方法なら、忙しい人でも続けやすいと思います。
お子さんの腸内環境を気にされる方も多いですが、バナナやキウイなど発酵性食物繊維を含むフルーツは朝食にもおやつにも最適。自然に取り入れられるので、家族全員の腸ケアに役立ちます。
腸活と“おいしさ”の関係
─腸に良い料理を、おいしく続けてもらうために大切にしていることは?
私は「おいしくなければ続かない」と思っています。健康や美容のために一時的に頑張ることはできても、習慣にするには楽しさやうれしさが必要です。
おいしさは味だけでなく、食感や彩りを含めた“五感の体験”。発酵性食物繊維を含む食材は、ぷちぷち、ほくほく、むっちり…と食感が豊かです。食べた瞬間にワクワクできる要素がたくさんあるので、腸活とおいしさはとても相性がいいと感じています。
発酵性食物繊維が多い食材は茶色っぽいものが多いので、彩りのある野菜やフルーツを加えると一気に華やぎます。また味噌ベースのたれやドレッシングで香りを添えると、「腸にいいのに、おいしくてわくわくする一皿」になります。
発酵食品と発酵性食物繊維は違うものですが、腸にとってはどちらも味方。両方を少しずつ取り入れることで、機能もおいしさも自然と底上げされます。
毎日の食事こそが、いちばん続くインナーケア
食事は1年365日、毎日必ず体に入るもの。だからこそ、日々の食事で腸を含めた全身を整えていくことが、最も現実的で続けやすいインナーケアだと思います。
完璧を求めるのではなく、無理なく、楽しく、彩り豊かに。「気づいたら毎日続いている」その状態こそが、美肌を支える本当の土台になるのかもしれません。
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