発酵性食物繊維普及プロジェクト SPECIALインタビュー

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腸活ビューティニスト®︎代表として多くの人と向き合う中島さん。「何かを制限するのではなく、育てていく」という考え方を軸に、腸を起点としたインナーケアを実践しています。腸を知ることで、落ちにくい肌と身体の土台をつくり、オンとオフの波が小さくなる日常へとつながっていった背景を伺いました。

「育てる美容」にたどり着くまで

今から20年ほど前、一時期モデルの仕事をしていました。ファッションモデルとして洋服を美しく見せるため、体型や体重への意識は次第に強くなっていきました。食事を制限し体重は落ちたのに、肌のツヤは失われ、写真に写る自分の姿に「何かが違う」と感じるようになったんです。やがて、食べること自体が怖くなり、心も体も限界に近づいていきました。
当時の私は、ずっと「見た目のためにがんばる」方向に力を入れていました。
でも本当は、がんばった分だけ、体が悲鳴を上げていたんですよね。

不調を「ふりかえる」ことで見えてきたもの

─何が回復のきっかけになったのでしょうか

サロンでのレッスン風景(公式HPより)

当時は、「食べるか、食べないか」ずっとその二択でしか物事を考えられなくなっていました。回復のきっかけになったのは、⾝体の仕組みを改めて学び直したことでした。世に溢れる健康情報が⾃分に合うわけではない。それはまた別の話なのだということに気づいたのです。そうすることで、不調を一つずつ丁寧にふりかえることができました。何を食べたときに体が重く感じるのか。どんなときに肌の調子が落ちるのか。そうやって身体と会話を続けていく中で、改めて向き合うことになったのが「腸」という存在です。

私が最初にやったのは、むずかしい分析ではなく、メモです。
・朝、何を食べたか
・その日の夕方、むくみはどうか
・肌のくすみや乾燥はどうか
・お腹の張り、眠り、気分の上下はどうか
たとえば同じ「サラダ」でも、冷たいまま一気に食べた日は体が冷えてお腹が張る。

逆に、温かい汁物を先に入れた日は落ち着く。そんな小さな違いが、少しずつ見えてきました。「食べた瞬間に、血や肉になるわけではない」。腸で吸収され、巡って、はじめて自分の一部になる。そう理解できたことが、私にとって大きな転換点でした。
ダメなものは一つもない。制限するのではなく、必要なものを知り、必要なタイミングで摂る。この視点を得られたことで、食への怖さが減っていったんです。

発酵性食物繊維は「菌を育てるための材料」

─毎日の食事での選び方を教えてください

腸活というと発酵食品を思い浮かべる方も多いと思いますが、私が大切にしているのは「菌を届けるもの」と同時に「菌を育てるもの」を意識することです。発酵性食物繊維は腸内で菌が発酵するための材料。つまり「菌を育てるもの」です。

菌を届けるもの
・納豆、味噌、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルトなど
菌を育てるもの=発酵性食物繊維
・もち麦、オートミール、海藻、冷ましたごはん(レジスタントスターチ)など

ポイントは、どちらか一方に偏らないこと。菌だけ入れても、育つ材料がないと続きにくい。
材料だけ入れても、整うまで時間がかかる。だから私はオンラインセミナーなどで、「掛け合わせ」を最初からお伝えしています。

そしてもう一つ、私がいつもお伝えするのは、特別なことを増やすより「視点」を変えること。
いつもの売り場で、いつもの食材を違う視点で見るだけでいいんです。
「これは腸がよろこびそうかな」
「これは菌を育てる食材だな」
そう考えると、選ぶ基準がシンプルになって、買い物が少し楽しくなる。無理なく続く腸活は、こういう小さな視点の変化から始まっていると思います。

私のおすすめは、まず「一日一回、育てる食材を先に入れる」ことです。
例えば「外食の日」。最初の一口は、野菜か海藻かきのこ。全部食べ切らなくていい。ひと口、ふた口でいい。そのあとに好きなものを食べる。これだけでも、腸の反応が変わる方が多いです。「忙しい朝」にも具だくさん味噌汁に、きのこを追加。ごはんは少しだけでもいい。それで「整えるスイッチ」が入りやすくなります。

オンとオフの差がない、整った毎日

─腸を整えて、日常にはどんな変化がありましたか?

いちばん心地よく感じているのは、オンとオフの差がなくなったことです。以前は、仕事の日は気を張り、オフの日はどっと疲れる。そんな波のある毎日でした。

腸が整い、身体の土台が安定してくると、肌の調子も気分も大きく崩れにくくなります。日常の延長線上に、仕事もプライベートもある。そんなフラットな状態が続くようになりました。近くに外出するのも、誰かに会うのも、特別な準備がいらない。その状態が続くのは、思っていた以上に楽だと感じています。

ここで私が大事にしているのが、「デフォルトを上げる」という感覚です。気合いで上げる日を作るより、落ちにくい土台を作る。そうすると、毎日がラクになります。

「美しさ」について改めて考える

─中島さんが考える「美肌」について教えてください

私が考える美肌は、表面でつくろうものではなく、内側から輝きが生まれている状態です。
内側からの弾力。
自然に生まれるツヤ。
血流が行き届いている感覚。
この3つがそろっていることを、美肌の条件だと考えています。

腸を整えることで、栄養が吸収され、血液がつくられ、巡り、肌に届く。内側からハリが生まれると、ファンデーションやスキンケアを重ねすぎなくても肌はきちんと応えてくれるようになります。

洗いすぎず、与えすぎない。結果として、スキンケアは自然と引き算になります。
オンでもオフでも変わらない、自然な肌がデフォルトになっていきました。

自分を整えることが、周りを整えることにつながる

─選択できる知識を得て、継続できる人へ

自分を整えることが、周りを整えることにつながります。
私のもとを訪れる方の多くは、「家族のため」「大切な人のため」をきっかけに腸活に興味を持たれます。
でも、まず大切にしてほしいのは、自分自身が整うこと。

自分の不調をふりかえり、身体の声を知ることが、結果的に周りの人の健やかさにもつながっていきます。生活習慣になる小さな積み重ねが、揺らがない心身の健康へと繋がります。

選択できる知識を得て、継続できる人へと進化できたことで、私は生きていくことが楽になりました。
育て愛しむことを楽しむ。そんな女性が増えていくことを願い、サロンでもお話しています。腸を知ることは、心と体、そして毎日を穏やかに整えるための、とても身近な入口だと思っています。

PROFILE

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