発酵性食物繊維普及プロジェクト SPECIALインタビュー

04

管理栄養士・料理研究家として多忙な日々を送りながら、「腸活は日常の延長にあるもの」と語る金丸絵里加さん。発酵性食物繊維や発酵食品を無理なく取り入れ、毎日の食事の中で続けてきたインナーケアの考え方と実践についてお聞きしました。

腸活が「特別なこと」ではなくなった理由

─腸活が日常の延長として続くものだと考えるようになった背景を教えてください。

最初は私も「腸活=特別なことをするイメージ」でした。難消化性デキストリンを使ったお仕事をきっかけに自分でも試したところ、花粉症が和らいだり、便通が整ったりと、体がすっきりして「腸を意識するとこんなに違うんだ」と実感しました。

これまで、仕事が忙しくて自分の食事はかなり適当な時期もあって、「頑張る腸活は続かない」と痛感したんです。実家が毎朝味噌汁の家だったことも思い出し、「あれも立派な腸活だった」と後から気づきました。特別なメニューではなく、いつもの味噌汁やごはんを少し工夫することこそ、日常として続く腸活だと今は考えています。

発酵性食物繊維と発酵食品の考え方

─発酵性食物繊維や菌活食材を、どのように位置づけていますか?

私の中では「発酵性食物繊維=育菌」「発酵食品=補菌」というイメージです。発酵性食物繊維は腸内細菌のエサで、もち麦やオートミール、ごぼう、さつまいも、豆、きのこなどに多く含まれます。

一方で、味噌、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品は、菌そのものをとる役割があります。どちらかだけだと働きが限定されてしまうので、野菜・きのこ・豆類などの発酵性食物繊維と、発酵食品をセットでとることを意識しています。私は「食べているときにおいしいのが発酵食品、食べた後に体が喜ぶのが発酵性食物繊維」という感覚で、料理を組み立てています。

「よく噛むこと」が腸活の入口

─よく噛むことを大切にしている理由は何でしょうか?

咀嚼は腸活のとても大事な入口だと感じています。よく噛んで細かくしてから飲み込むことで、胃腸への負担が軽くなり、消化がスムーズになります。

また、噛む回数が増えると満足感が高まり、食べすぎ防止にもつながります。ダイエット相談のときにも「まずはよく噛んで食べてみてください」とお伝えすることが多いです。特別なテクニックではなく「ひと口を少しゆっくり味わう」だけでも、腸にとってはうれしい変化になると思います。

朝スープ・具だくさん味噌汁の力

─朝のスープや味噌汁を腸活の中心にしている理由を教えてください。

朝のスープや具だくさんの味噌汁は「一日の腸のスイッチを入れる一杯」だと思っています。温かい汁ものが冷えた胃腸をやさしく温め、消化の準備を整えてくれますし、大根、にんじん、ごぼう、きのこ、豆腐、海藻などを組み合わせることで、発酵性食物繊維と発酵食品(味噌)を一度にとることができます。冷蔵庫にあるもので作ることができて、家族分もまとめて用意しやすいので、無理なく毎日のリズムに組み込めるのもポイントです。

発酵調味料が支える、腸とおいしさ

─発酵調味料は腸や全身にどう役立つと考えていますか?

ある日の献立

発酵調味料は「おいしさ」と「体へのやさしさ」同時にうれしい効果が期待できます。味噌や塩麹、甘酒、酒かすなどには、発酵の過程で生まれたうま味やアミノ酸が豊富に含まれているので、塩分や砂糖を控えめにしても満足感のある味に仕上げやすくなります。

腸の視点では、発酵調味料そのものが菌やその代謝物を含む場合もあれば、腸内細菌が働きやすい環境づくりを助ける面もあります。そこに発酵性食物繊維が加わることで、短鎖脂肪酸が生まれやすい土台が整っていくイメージです。

腸が整うことで感じる変化

─腸が整ったとき、どんな変化を感じますか?

私の実感としては「全体的に余裕が生まれる」感じがあります。便通が安定すると体が軽くなり、肌の調子も含めて“土台”が整ってきます。

メンタル面でも、疲れているときのイライラや落ち込みが少しマイルドになる印象があります。腸と自律神経は関係が深いと言われています。腸は体と心の両方を支える存在。美容だけでなく、毎日をご機嫌に過ごすためのインナーケアとして、腸を整えることはとても大切だと思います。

─腸活を始めたい人におすすめの第一歩を教えてください。

考えすぎず、まずは「育菌」と「補菌」をセットで意識すること。朝はヨーグルトや味噌汁、昼は根菜や豆類など発酵性食物繊維を含む食材、夜は具だくさんのスープ、といったゆるいルールで十分です。

完璧を目指すより、「気づいたら続いていた」くらいの軽さで始めること。それがいちばん自然で、いちばん続く腸活だと感じています。

PROFILE

© 2025 一般社団法人 発酵性食物繊維普及プロジェクト